【2020合格】vol.12「自分は自分」と割り切ってしまうことが大切
中村さやかさん
京都市立芸術大学美術科 合格・進学
京都精華大学造形学科 合格
千葉県立松戸国際高等学校
アトリエ新松戸 デザイン・工芸科 昼間部
なんとなく遠い世界だった美大や芸大
美大に行きたいと考え始めたのは高2の終わり頃です。学校の友達数人が美大を目指すと言ったのを聞いたことがきっかけです。
私自身、つくること自体は小さい頃から好きだったのですが、それまで美大や芸大というとなんとなく遠い世界のように感じていました。
高3を目の前にして、本格的に進路を考える時期になって、友達や高校の美術の先生と話をするうちに美大/芸大への進学という選択肢がぐっと身近に、より現実的なものになっていきました。そして、高3の春からアトリエ新松戸に通い始めました。
楽しかったこと、そしてつらかったこと
アトリエで過ごした中で楽しかったことはたくさんありますが、特に印象に残っているのは研修旅行です。普段の制作場所を離れ、自分の足を使って体験するのは良い刺激になりました。また先生や友達と普段しないような議論もでき有意義な時間を過ごすことができたと思います。
つらかったことは人との比較を余儀なくされることです。受験なので当然ですし、この先も避けることができない問題だとは思うのですが、それでもやはり苦しいなと感じることが多かったです。
デザインから美術へ
最初はデザイン志望でしたが、最終的には美術科に進学しました。この変化には「ここで変わった!」というタイミングはなく、日々小さな変化が堆積されていったという方が近いのです。
強いて挙げるなら大手の予備校の講習会に参加したことでしょうか。いつもと違う環境で課題に取り組むことで自分に足りない部分を直視させられ、また奮い立てることができました。反面、周りを見ながら、自分がやりたいことはこれではないのではないかという気持ちも持ちました。この時の直感が後々の進路の変更にも大きく関わったと思います。
のびのびと手を動かす
授業の中で特に役に立ったのは校外学習の後の課題です。肩の力を抜いて、こういうことをやってみたい、に素直になれた時間でした。私はいつも課題に対して萎縮してしまいがちだったので、この時に得たのびのびと考えて手を動かすという感覚を忘れないように入試の日まで意識していました。
試験当日、会場内はとても静かでした。みんながみんな緊張していること、あと校舎の立地の問題もあったかもしれません。
試験中は自分で思っていたよりも冷静でいることができました。そして、あの時の感覚を意識し続けたおかげで、いつも以上に自由な気持ちで制作できたと思います。
合格、そしてこれから
合格発表の時は、驚きしかなかったです。実感が湧かないまま母に電話をして、話すうちにじわじわと嬉しさがこみ上げました。
大学に入ったら、色々な素材に挑戦したいです。京都芸大のカリキュラムでは1年〜2年次まで一つの分野に縛られることなく制作できるので、その環境を存分に活かして出力手段と表現の幅を増やしたいなと思います。
また、私にとって受験は対話の重要性を自覚した期間でもありました。多様な人々が集まる大学という場はとても貴重なので、制作するだけではなく、これから出会う人達とよくよく言葉を交わせていけたらいいなと思います。
そして何より、せっかく京都という場所で勉強する貴重な機会を得たので、寺社や山水、人々の暮らしに見える土地ならではの文化にもたくさん触れたいです。
誇れる行動力と意志がある
正直なところ、将来自分が何がしたいのか、何ができるのか全く分かりません。なので夢も目標も明言できません。でも私には誇れる行動力と意志があるので、手を動かすことと考えることは絶対に諦めず、なんとしても続けていくつもりです。
後輩へのメッセージ
受験に対する意識やモチベーションの在り方は本当に人それぞれで、必ずしもこうした方がいい、こうしないといけないということはないと思います。私の場合、時には「自分は自分」と割り切ってしまうことが、大変な受験期を乗り越えるための精神的な支柱になってくれることがありました。もちろん競争が前提にある受験という場ではそうはいかないことも多いのですが、自分のペースを大切にするということも決して間違いではないと思います。応援してます。頑張ってください。