展覧会レポート「ダムタイプ|2022:remap」
アーティゾン美術館「ダムタイプ| 2022:remap」
第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館に展示された《2022》を、アーティゾン美術館の6階展示室に最適化された形で《2022remap》として再構築した展覧会です。
「DUMB TYPE」は、1984年から活動を続ける、日本におけるアートコレクティブの嚆矢とも言えるグループです。特定のディレクターは存在せず、なおかつプロジェクトごとにメンバーが変わるのですが、今回は坂本龍一も参加しています。
会場中央の空間には白色ダイオードが組み込まれた正方形のディスプレーが吊るされていて、そこに映し出された白黒の映像が床に敷かれた正方形の鏡に反射して目に入るという装置があります。ディスプレーを直接見るとただの平面なのに、鏡に映った像には奥行きと立体感が感じられるという不思議な体験をしました。
壁面には赤いドットで、昔の地理の教科書に載っている普遍的な問いかけの文章が流れるように映し出されます。
そして周辺の空間にはターンテーブルがいくつも置かれ、世界各地で採集されたその土地の音が微かに流れています。
公式フライヤーによれば“「ポスト・トゥルース*」時代におけるコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について思考を促す”作品ということです。
実際に自分自身会場の中で随分と考えさせられました。是非とも体験してほしい展覧会です。
ポスト・トゥルース*
ダムタイプ|2022: remap
2016年を皮切りに膾炙した、「客観的な真実」よりも「主観的あるいは叙情的な意見」が集団的な影響力を持ちやすくなった現代の状況を指す言葉。(公式HPより)
作品画像などはFacebook、Instagram、Twitterでも公開しています。
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